ステンドの歴史
ステンドグラスは、世界最古の工芸品のひとつで、ヨーロッパでは絵画よりも古くから芸術様式としての地位を確立しています。
中世期、教会は地域社会に絶大な影響力があり、教育を受けていない素朴な人々は、ステンドグラスに描かれた絵によってキリストの教えを受けました。
しかし11世紀頃には、ステンドグラスの「虹の光」で教会を満たすことが人々の心を惑わせ、修道僧の瞑想を妨げると考えた聖職者達が、「教会の窓には透明なガラスのみを使うものとする」と発令しました。
このため、灰色や緑がかったガラスを彩色した「グリザイユ(※1)」だけを使って、素朴な幾何学模様やシンプルなパターンを作る方法が考え出されました。
この工法は、色ガラスより安価だったため広く普及しました。
ケンブリッジ大学のチャペルにもその当時の素晴らしいステンドグラスが残っています。
この後も19世紀初頭まで、様々な流派の宗教的なステンドグラスが作られました。
※1:絵付け用の顔料をガラスに塗り、刷毛などで削り落として光に微妙な段階を付ける技法。
1855年のパリ万国博でそれらのステンドグラスが紹介されたのをきっかけに、教会以外の建築物にも好んでステンドグラスが採り入れられるようになりました。
19世紀末に台頭してきたアールヌーヴォー様式(※2)と、それに続くアールデコ様式(※3)のステンドグラスが商店やカフェ、オフィスに使用されるようになり、個人住宅でも玄関のドアや客間の窓に使われ、プライバシーを守る役目とともにステイタスシンボルとしてステンドグラスを採り入れる風潮が広まりました。
人気を博したこれらの装飾的ステンドグラスですが、現在では戦争による破壊や都市の再建で数が少なくなってきています。
※2:フランス語で「新しい芸術」の意味。有機的で自由な曲線を組み合わせたデザインで、鉄やガラスといった素材を使用しているのも特徴の一つ。
※3:曲線で形作られたアールヌーヴォーに対して生まれたデザイン。幾何学モチーフや直線・流線型を多用しているのが特徴。
住宅創庫で販売しているアンティークステンドは、50年〜100年ほど前のイギリスを中心としたヨーロッパのアンティークです。英国では主に外部窓に使用されてきたステンドグラスですが、日本では部屋の間仕切りなどのアクセントとして使われる事が多いようです。
何十年と大切にされてきたステンドグラスを、また新しいものとして受け継がれてゆく。なんだか素敵ですね。
選び方ポイント
ステンドグラスは、ひとつひとつ手作りでつくられたものなので、作る人の個性が現れています。シンプルな物からきらびやかなものまで様々です。
選び方のポイントが“ガラス”です。美しい色味を持つものもあれば色はなくてもボコボコとした凹凸をもつものなど。
ガラスが凹凸したものは、光の屈折でたくさんの光の表情を楽しめます。
こんなことを頭に入れながら、イメージに合うものを選んでみてくださいね。
ピースの細かいもの、絵付けの有無、年代、小さなものでもピースが細かく貴重なガラスが使われている物は価格が高くなります。
枠について
ステンドグラスには、イギリスの住宅についていた枠そのままの物もあれば、取り外して新たに簡易な枠を付けた物があります。
イギリスの住宅に付いていたものは、木製の枠に白いペイントをしたものがほとんど。
後から自分でカラーを変えて上塗りしたりもしています。
何度も塗り重ねられた塗料は、解体時に剥がれたりして現在の状態となります。
新たにきれいに作り直したものが欲しいという方には、新たな枠加工もお受けしておりますのでご相談ください。
施工方法
枠をはずして壁に埋め込む方法や、枠をそのまま使用したり、リメイクして使用するタイプ、壁の中に埋め込まずに既存のFIX窓などの室内側にぴったりはめ込んだり思いつく限り自由に使われています。
日本では、防犯性や断熱性を考えて室内に使用する事がほとんどです。



